キサラタン点眼による角膜潰瘍

キサラタン点眼は弱い角膜上皮にヘルペス様潰瘍を起こす?

 キサラタン (Latanoprost)は、プロスタグランジン誘導体で、すでに日本でも使用されている「レスキュラ」同様、点眼による眼圧下降作用があります。トルソプト同様、5月上旬の発売が予定されており、一日一回の点眼で十分ということもあって、私自身待ち望んでいた薬です。
 点眼時の刺激感と充血の他に、CME、前部ブドウ膜炎、choroidal effusion、虹彩と睫毛への色素沈着などがこれまで副作用として報告されていますが、今回取り上げる論文ではヘルペス性角膜潰瘍に似た、toxic な角膜潰瘍を4例報告しています。
 IDU点眼などで生ずるものと良く似た、樹枝状ではあるが terminal buttonを欠く角膜潰瘍を、点眼後4週間前後で発症しているようです。投薬中止によってどれも治癒していますが、レスキュラで経験する角膜上皮障害と似たタイミングで発症している印象がありますね。
 角膜には多くのプロスタグランジン受容体がありますから、キサラタン点眼がこれらに影響を及ぼすことは十分考えられます。また、レスキュラによる角膜上皮障害は、なぜか最近少ないのですが、発売当初良く経験しました。今回のレポートのうち半数 (2例)は糖尿病患者であり、全員高齢 (63、77、79。87才)です。健常な角膜上皮であれば、問題は起きないのかもしれません。
 これでキサラタン点眼薬の有用性が減じたとは思いません。しかし、キサラタンを使用する際には、レスキュラ同様、角膜上皮の状態に注意を払い、特に高齢者や糖尿病患者への投与時には気をつけて観察すべきでしょう。
 出典は、Sudesh S et al: Corneal Toxicity Associated With Latanoprost. Arch Ophthalmol 117, 539-540, 1999

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