レーザーポインターによる眼障害

レーザーポインターを直視することによって生じた黄斑障害

 最近、レーザーポインターは日本でも広く普及し、使用されるようになってきています。これはそのレーザーポインターを直視した結果、黄斑障害を生じた症例の報告です。
 患者は34才の男性で、左目でレーザーポインターを20〜30cmの距離から、故意に30〜60秒固視した後、一時的に中心暗点と頭痛を自覚したため、翌日には症状は消失したものの、2日後に眼科を受診しました。
 視力は両眼とも1.0あり、病的な変化はほとんどありませんでしたが、左眼の黄斑部、中心窩鼻側に網膜色素上皮の変化が観察されました。蛍光眼底では、この部位に一致してまだら状のwindow defectが認められました。
 使用されたレーザーポインターは、最大出力5mWの670nm、つまり赤色のレーザーで、本体にも説明書にも「のぞきこまないこと、人の目に向けないこと」との注意書きがありました。通常、レーザーによる眼障害はクラスIVの軍用、工業用レーザーで起こり、、このようなIIIaクラスの低エネルギーレーザーによる眼障害は希である、と著者らはコメントしています。
 黄斑部は脆弱な組織であり、また、有色人種では色素上皮によるレーザー吸収がより大きいとも考えられます。レーザーに限らず、強い光源、あるいは近距離の光源を長時間直視することは当然避けるべきでしょう。ちなみに、私が講演で使う小型のレーザーポインター10mWクラス2と表記されています。
 出典は、Luttrull JK et al: Laser Pointer-Induced Macular Injury. Am J Ophthalmol 127, 95-96,1999

ホームページに戻る

眼科ニュースの目次に戻る