調節による眼軸長延長

調節が行なわれている間、眼軸長は5.2〜12.7μm延長する

 部分コヒーレント干渉計によって、調節による眼軸長の変化を微細に測定した結果の報告です。
 2つのビームに分離したコヒーレント光を用いて、眼球透明組織の各境界面からの反射光を干渉させて、一種のAモード測定を行なうのが部分コヒーレント干渉計(PCI)です。ごく高精度の距離測定が出来る、この手法を用いて、調節に伴う眼軸長の微細な変化を測定しています。
 11眼の正視眼と12眼の近視眼(-1.0〜-9.5D)を対象に、5〜50cmおよび無限遠の指標を固視させ、近点および30cm固視における眼軸長と、遠点における眼軸長を上記のPCIで測定、比較しました。
 結果、調節による水晶体の膨化とともに、眼軸長自体も延長していることが明らかになりました。また、正視眼では調節に伴う眼軸長の延長が平均12.7μm(8.6〜19.2)あったのに対し、近視眼では5.2μm(2.1〜9.5)と有意に少ない(p<0.001)延長が測定されました。
 眼軸長延長の機序として、著者らは調節に伴う毛様体筋の収縮が、脈絡膜を前方に、そして内方に牽引する結果、強膜の赤道部直径が減少し、眼球容積が一定であるため眼軸長が延長する、という仮設を提示しています。
 調節と近視の関係はよく取り上げられますが、可逆的な現象であるこの調節と眼軸長の一時的延長が、恒久的な近視に直接つながるのでしょうか。近視眼では、すでにその機序による眼軸長延長が生じてしまったから、今回の試験では延長が少ない結果が出たのだ、と考えることも出来そうです。
 出典は、Drexler W et al: Eye elongation during Accommodation in Humans: Differences between Emmetropes and Myopes. Invest Ophthalmol Vis Sci 39,2140-2147,1998

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