日光と老人性黄斑変性

日光への曝露と老人性黄斑変性の発症とは関係ない、という報告です

 白内障手術が安全になり、緑内障が早期発見によって管理可能な病気となったため、老人性黄斑変性(Age-related macular degeneration, 加令性黄斑変性、というべきか)が、先進国の視力障害の主な原因となりつつあります。
 現在のところ確実な治療法が存在しないため、原因の解明と予防方法の発見に努力が注がれています。日光や紫外線の曝露が原因であり、サングラスの装用などが予防になるという仮説があります。この仮説をめぐって、これまで賛否双方の調査報告(Chesapeake Bay Study, Beaver Dam Eye Study)がなされています。
 このレポートは、オーストラリアのニューキャッスルの42万8千人の住民、地区全体の眼科を対象に、老人性黄斑変性の発症と、その日光への曝露との関係を調査したものです。
 日光への曝露は系統的な問診、眼鏡や帽子の装用程度、日焼けの程度などを参考に推定されました。また、性別、全身疾患、喫煙状況なども調査されました。その結果、この地区で発症した409症例の老人性黄斑変性と、日光への曝露は無関係との結果が得られました。その他の条件との関係も認められませんでした。
 紫外線、あるいは日光への曝露が眼疾患と関係があるという仮説は、翼状片、白内障、網膜色素変性症などさまざまな疾患について、繰り返し持ち出されるのですが、はっきり関係が証明されたものはないんじゃないかなあ。
 出典は、Darzins P et al: Sun exposure and age-related macular degeneration - An Australian case -control study -. Ophthalmology 104,770-776,1997

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