遠近両用眼内レンズ

白内障術後用の遠近両用眼内レンズの話題です

 白内障手術時には濁った水晶体を取り去った替わりに、眼内レンズを挿入するのが普通です。しかし、眼内レンズは一定距離にしか焦点が合いませんから、術後も老眼鏡などを使用する必要があります。
 これを改善するために、同時視型、交代視型などの遠近両用眼内レンズが使用されます。ここで紹介する論文ではAMOのARRAY-SSM-26NB多焦点眼内レンズを用いて、100例について術後の満足度を普通の単焦点眼内レンズと比較しています。
 結果は、眼鏡を使用せずとも、遠近が見られるという点で多焦点眼内レンズの満足度が高い、というものです。しかし、一方で多焦点レンズを挿入した例でも、半数近くが近見時に半分以上は老眼鏡を使用していること、グレア、光輪などが多焦点眼内レンズで著明に多いこともわかりました。
 多焦点レンズはコントラスト視力が低いこともこれまで報告されています。日常生活で便利なことは多いが、本当に目を使う近業には不十分な性能であり、夜間の運転などには不向きなのだと考えられます。アクティブな老人には不適当ということになるでしょうか。
 出典は、Javitt JC et al: Outcomes of cataract extraction with multifocal intralcular lens implantation. Ophthalmology 104,589-599,1997

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