裸眼視力と屈折異常

裸眼視力から屈折異常を判断できるか?

  遠視、乱視、近視、眼疾患のいずれの原因によっても裸眼視力は低下しますが、その低下がどの原因がどの程度絡み合って生じたかはわかりません。裸眼視力から屈折異常を判断することは不可能、というのが眼科医の常識だと思います。

  その一方で、学校健診などでは裸眼視力が測定され、A:1.0以上、B:0.7〜0.9、C:0.3〜0.6、D:0.2以下と分類されるとともに、Bでは眼科受診が薦められる、Cでは眼科受診が必要、といった使われ方をしています。

 今回取り上げた論文では、シドニー(オーストラリア)の21の中学校から2353名の対象 (「7年生」、平均年令12.7才)を抽出し、logMAR視力表による裸眼視力測定(片眼ずつ)を行った後、調節麻痺下で屈折を測定して裸眼視力との関連を調べています。

 -1.0D以上の近視(等価球面)を明らかな近視、+2.0D以上の遠視(同じく)を明らかな遠視、-1.0D以上の乱視を明らかな乱視、と定義した上で、裸眼視力から近視、遠視、乱視を検出できるか否かを検討した結果、近視については裸眼視力0.63(オーストラリア表記では6/9.5)を境に、上記の「明らかな近視」を高感度に検出することが可能だが、遠視、乱視については裸眼視力を元に篩い分けを行うことは困難、という結果を得ています。

  裸眼視力0.63以下は、日本の学校で使用されている分類では「C」以下に相当し「眼科受診が必要」な視力です。その意味では近視については納得できる、あるいは日本の分類方法の正当性を裏付けるものです。しかし、遠視や乱視などの弱視や眼精疲労につながりやすい屈折異常については、裸眼視力の限界を示す結果になったと思います。

出典は、Leone JF et al.: Use of visual acuity to screen for significant refractive errors in adolescents. Arch Ophthalmol 128: 894-899, 2010

 

 

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