閉塞隅角と散瞳時眼圧上昇

虹彩の体積変化による眼圧上昇予測

  狭隅角眼は散瞳時に隅角が更に狭くなるため、前房水の流出路が狭くなって眼圧が上昇する場合があることが知られており、このため抗コリン作用がある薬剤などは閉塞隅角緑内障に対する使用が制限ています。しかし、隅角が狭い眼のすべてが散瞳負荷によって眼圧が上昇するわけではありません。散瞳による眼圧上昇を予測する方法はないのでしょうか?

  今回紹介する論文では、健常眼は散瞳時に虹彩体積が減少するため、散瞳しても前房水流出路の閉塞を起こしにくく、眼圧が上がらない。逆に、散瞳しても虹彩体積が変わらない〜逆に増加する場合には眼圧が上がる、という複数の報告が紹介されています。AS-OCT、OCTを使用した前眼部の広視野検査が可能になり、断面像から虹彩体積を計算できるようになった事から、このような報告が出てきたようです。

  虹彩がスポンジのように働いて、散瞳によって収縮すると細胞外液が排出されて全体の体積を減らし、流出路を確保する。なんらかの理由でその働きが失われている場合に、眼圧上昇が生じる、というメカニズムがあるようです。AS-OCTによって、虹彩の動きに伴う体積変化を観察することによって、散瞳負荷よりも簡易、正確に眼圧上昇の予測が可能になりそうです。

AS-OCTは装用中のコンタクトレンズのエッジと角結膜の関係を捉えることも可能です。今後、視野、サンプリングレートがさらに上がれば、前眼部全体の動画表示も可能になるかも知れません。眼疾患だけでなく、コンタクトレンズフィッティングの客観的評価方法にもつながりそうです。この分野の発展が楽しみです。
出典は、Quigley HA: Editorial: The iris is a sponge: A cause of angle closure. Ophthalmology 117: 1-2, 2010

 

 

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