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「 眼の疲れを取るために目のマッサージをするのは有効ですか?」と時々患者さんから聞かれます。「有効だというはっきりした証拠は知らない。眼球そのものを圧迫するのは良くないと思う。目のまわりの骨から外側なら、効果があるかどうかはわからないけれど害はないでしょう」といつも説明しています。眼球を変形させるような行為は、前眼部の以上や網膜、脈絡膜に対する悪影響があると考えられるからです。 |
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これを裏付けるような症例が今回御紹介する報告です。22才の女性で、2年前から眼の疲れを取るために、毎日電動マッサージ器で目の周囲をマッサージしていたとのことです。1年前から視力が低下して眼科受診、両眼の前嚢下、後嚢下白内障を認め、両眼の白内障手術が必要となったとのことです。 |
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前嚢下、後嚢下の白内障は併発性白内障としてステロイド投与、アトピー、糖尿病、眼内手術などによって発生することがありますが、この場合はマッサージの反復性振動による外傷性白内障と考えるべきだろう、と著者らは考察しています。確かに、外傷性も前嚢下混濁や後嚢下白内障の形を取ることが多いのです。 |
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使用していたマッサージ器は棒の先に振動する円盤が付いた形の首肩用で、「眼周囲のマッサージ」が具体的にどのようなものなのか、眼窩の外側に留まるものなのか、 眼瞼上から直接眼球に対しても行ったものなのかは記載されていません。しかし 眼窩の外側であっても、強い振動であれば眼球組織そのものに伝わることは十分考えられます。 |
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アトピー患者の前嚢下、後嚢下白内障の発生機序として、装用感のために眼球を叩くような動作を繰り返すからだという仮説がありますが、著者らは今回の症例はその仮説を裏付けるものだと考察しています。同時に眼球周囲へのマッサージは禁止はしないまでも、慎重に行う必要があるということでもあるでしょう。今後、患者さんからの質問にはこの症例を引用して回答することになりそうです。 |
| 出典は、松木奈央子、石綿丈嗣、永本敏之: 電動マッサージ器による外傷性白内障の1例. 眼科臨床紀要 2: 795-798, 2009 |
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