後発医薬品の問題点

「純正品」と作用が異なる「後発品」点眼薬がある

  後発医薬品はオリジナル、つまり先発医薬品と同じ主成分を含んだ薬剤のことです。承認に要する費用、時間が少なくてすむため、先発医薬品に比べて安価であり、医療費抑制、患者の負担軽減につながるとして処方が推奨されています。処方箋で投薬する場合、先発医薬品で処方をしていても、特記しない限り、本人の希望があれば薬局で後発医薬品に切り替えても良いことになっています。

 効果自体は生物学的同等性試験によってある程度保証されますが、問題点も指摘されています。主成分は同じでも副成分には違いがあり、品質管理が先発医薬品と同等という保証もないからです。本来薬効には影響がないはずの副成分でも、実際には主成分の効果に差をもたらす可能性がありますし、薬剤アレルギーのような副作用は、微量の副成分の違いで発現する可能性が十分にあります。

  今回紹介する論文では、オフロキサシン(抗菌剤点眼薬)とチモプトール(緑内障点眼薬)について、副作用を培養角膜細胞について、薬効を家兎眼内移行動態について調査しています。結果として、オフロキサシンについては先発医薬品と8種の後発医薬品のいずれについても、角膜細胞毒性、主成分の前房水への移行濃度とも差は見られませんでした。

  しかしチモプトールについては後発品6種のうち、2種は先発品より角膜細胞毒性が低く、残り4種は細胞毒性が異なる結果となりました。50%細胞致死時間は、最良の17.34分から最悪の2.71分まで、5倍近い差が出ています。また、前房内移行濃度も製品によって倍近い差がありました。ここで興味深いのは、角膜細胞毒性と前房内移行濃度が必ずしも関連していない点です。

 細胞毒性があるために、角膜上皮のバリア機能を阻害すれば、薬剤の通過性は良くなりますから、前房内移行濃度は上がるはずです。そうであれば、毒性と移行濃度は挿管するはずなのですが、移行濃度がもっとも高かったリズモン点は、細胞毒性が低い方から2番目、先発医薬品のチモロール点以下でした。また細胞毒性が最も高かったチモロールT.K.の前房移行濃度はチモロール点以下でした。細胞毒性と前房移行濃度間に明確な相関はないようです。

 リズモン点には乳化剤としてヒマシ油60が含まれており、防腐剤やこのような副成分の違いが薬剤間の差の原因となっているのではないか、と著者は考察しています。私は後発品を否定するつもりはありませんし、処方箋にも先発品使用は指示しませんが、主成分だけ同じ「後発品」は真のgeneric ではないような気がします。少なくとも、単純な「生物学的同等性試験」だけでは実際に使用した際の効果を保証することはできないようです。
  出典は、福田正道、佐々木洋: オフロキサシン点眼薬とマレイン酸チモロール点眼薬の培養角膜細胞に対する影響と家兎眼内移行動態. あたらしい眼科 26: 977-981, 2009

 

ホームページに戻る

眼科ニュースの目次に戻る