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前房挿入型の眼内レンズを用いた近視矯正手術によって、角膜内皮細胞が減少するという論文を、昨年5月、6月にご紹介しましたが、今回取り上げたのは、前房レンズより角膜内皮などに対する影響が少ないと考えられる、後房レンズを使用した近視矯正手術の術後経過レポートです。 |
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対象は-4Dから-15.25Dの近視眼、34例56眼、平均年令は37才。強度近視でも十分矯正できるのが、眼内レンズを使用した近視手術(phakic IOL)の強みです。屈折は術後1ヵ月から後は安定しており、80%前後は目標の±0.5D以内、95%前後は±1.0D以内に収まっています。1.0Dは大きいように見えますが、術前の屈折異常を考えると、十分許容できる範囲でしょう。誤差と近見努力、老眼、もともと近視に慣れていることを考えると、1.0〜2.0Dアンダーぐらいを狙うといい感じではないかと思います。 |
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前房レンズを使用した近視矯正手術で問題になった角膜内皮障害ですが、術後2、3年で術前より2%超減少しており、術後4年での平均は3.7%減でした。論文の著者は「これは他の報告より少なく、安全性を示している」としています。 |
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確かに前房レンズの報告(5年間で平均8.3%〜14%)よりはマシな数字であり、もし4年で3.7%の減少がそのまま続くとしても、術前の平均角膜内皮細胞密度(2821 cells /mm2)が、40年後にようやく2000を割る程度です。また、前房レンズは後房レンズと違って、継続的な角膜への侵襲は生じにくいと考えられますから、実際にはもっと少なくて済むでしょう。角膜内皮障害については容認できる範囲と言えそうです。 |
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後房レンズの場合は、眼内レンズと水晶体が近接しているため、むしろ白内障の発生が問題になります。この報告でも、1眼に白内障手術が必要となったレベルの前嚢下白内障が発生しており、同じ症例の反対眼にも「外傷による」白内障が発生しています。ただ、この他眼も眼内レンズがなければ白内障に至らなかった可能性が十分あると思います。 |
| また、他にも6眼(11%)に「無症候性」の前嚢下白内障が発生し、うち一眼では一段階の視力低下が認められています。「無症候性(asymptomatic)」という言葉と合わない気がしますが、自覚的な主訴がなかったという意味なのでしょう。 |
| 併せて14%以上に前嚢下白内障が発生しており、後嚢レンズという位置条件を考えると、時間経過とともに白内障の発生率、程度は増えていくと考えるのが妥当だと思います。これで「safe and effective」と「Conclusion」されているのには抵抗があります。 |
| 出典は、Kamiya K et al.: Four-Year Follow-Up of Posterior Chamber Phakic Intraocular Lens Implantation for Moderate to High Myopia. Arch Ophthalmol 127: 845-850, 2009 です。 |
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