新型眼圧計の性能

Dynamic Contour Tonometry の実力

  Dynamic Contour Tonometry (DCT)は、2004年にKniestedtらの論文で見たのがはじめです。眼科で一般に使用されているゴールドマン圧平眼圧計(GAT)とよく似た外見ですが、平衡重りで測定するGATと異なり、DNT目に接触するチップの中央に埋め込まれた直径1.7mmの圧センサーが眼圧を測定します。また、接触するチップ面は角膜よりややフラットなカーブ(曲率半径10.5mm)を持つ凹面となっています。

 DCTGATのように接触する一点〜限られた面積で角膜を変形、圧平するのではなく、カーブした接触面を角膜にフィットさせ、接触面積(直径7mm)全体に1gの荷重をかけ、センサーから毎秒100回出力される圧力信号によって眼圧を計算します。

 2004年の論文に記載されている死体眼を用いた測定では、DCTの測定値は実際の眼内圧とよく一致しました。一方、GAT、PTGの測定値は眼内圧からの誤差が大きく測定されました。これは死体眼の角膜が脱水し、薄くなっているためではないか、というのがKniestedtらの考察であり、そうであればDCTは角膜厚に左右されずに眼圧が測定できるのではないか、と期待されていました。

  今回紹介する論文では、125例の緑内障患者を対象に、DCTGAT両者による眼圧測定を行うとともに、角膜厚も測定して、角膜厚さがDCTに及ぼす影響を観察しています。

  結果は、DCTGATより平均3.9mmHg高値を示すものの、値はよく相関しており、同時に角膜厚に対しては、DCTGATともに、角膜が厚いほど高い数値を示す傾向が認められ、その程度はDCTGATとも同様でした。

  角膜厚が眼圧に影響を及ぼすことは最近では常識であり、DCTはこれを解決する手段かと期待されていたのですが、どうやらそうはいかないようです。まだ当分は古典的なゴールドマン圧平眼圧計が、眼圧測定、緑内障治療のゴールデンスタンダードであり続けるようです。 ただし、正常眼、LASIK術後ではDCTの方が角膜厚に依存しない値を示すというレポートも複数あり、DCTが無価値というわけでもないようです。何に使えて、何に使えないかは、これからわかっていくのでしょう。
    出典は、Grieshaber MC et al.: Effect of Central Corneal Thickness on Dynamic Contour Tonometry and Goldman Applanation Tonometry in Primary Open-angle Glaucoma. Arch Ophthalmol 125: 740-744, 2007 です。

 

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