| サプリメントやブルーベリーなどの補助食品が目の病気に効くか、という質問を時々受けます。オキュバイトのように疫学的な手法で限定的な有効性が示されたものもありますが、風聞、広告に過ぎないものも多いように思います。今回紹介する論文は、このようなものの一部について、加齢黄斑変性、白内障、糖尿病網膜症、緑内障に対する効果があるかどうかを文献的に調べ、まとめたものです。引用文献91点。読むだけでも大変な仕事だったでしょう。 |
| 文献の信頼性は一定の基準(AAOガイドライン)にそって信頼できるもの、参考になるもの、信頼できないものに分類しています。「信頼できないもの」は、恣意的な患者選択、経過観察期間がばらばら、患者の一部のみを観察、薬剤がマスクされていない、といったものです。一般の人が見かける記事や体験記の類はほとんどこれに属するでしょう。著者らは信頼できる資料、参考になる資料のみを用いて効果を検討していますが、相反する結果が出ている資料も多いようです。 |
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ビタミンA。核白内障に対する予防効果ありという報告もあるが、多数を対象の調査では関係なし。 ビタミンC。白内障に対する予防効果ありという 報告となしという報告がある。多数例の報告では摂取者に白内障手術が少ないという結果になっている。糖尿病網膜症には無効報告のみ。 ビタミンE。白内障には無関係の報告が多いですが、白内障が増える、減るという報告もそれぞれある。加齢黄斑変性に対しても増える、減るの両者があります。 カロチノイド(ルテイン、ジーキサンチン、ベータカロチンなど)。無効という報告もあるが、多数対象の報告ではルテイン、あるいはルテインとジーキサンチンに白内障予防効果が認められている。ベータカロチンは無効 報告のみ。 リボフラビン、ナイアシン。白内障に対する予防効果ありという報告が複数あります。加齢黄斑変性には効果なし。 ビタミンC、Eおよびベータカロチンの混合サプリメント。白内障及び加齢黄斑変性に対して無効という報告が多いですが、中後期の加齢黄斑変性には有効という報告もあります。喫煙者に対しては有益ではないかという報告が複数あります。 マルチビタミン・サプリメント。加齢黄斑変性に対しては無効という報告一例。サプリメントではなく食事として十分多様なビタミンを摂取していれば有効という、多数対象の報告が一例。白内障については予防効果ありという報告が多いですが、無効、わずかな差しかない、という報告もあります。緑内障については無効という報告一例のみ。 イチョウ。抗オキシダント効果があることから加齢黄斑変性に使用されているようです。しかし20例という少数なので資料として価値なしと判断しています。これらハーブ類に関しては、白内障、糖尿病網膜症についても信頼できる報告はないようです。 緑内障についてはマリファナが有効ですが、これは眼圧下降作用を有するからです。もちろん日本では麻薬ですから使用できません。ここでもイチョウが使われているようですが、少数例、あるいは視野の経過を見ておらず、信頼できる報告はないようです。 ヨーロッパではコケモモが16世紀から薬用に使用され、二次大戦中には英パイロットの視力、暗視力の改善にも使用されたようですが、その後の研究で効果は否定されています。 |
| ブルーベリーについてはこの論文ではふれていません。多くの文献を検討しているようですから、信用できる報告がないと言うことなのか、日本だけの特殊な流行なので検討していないということなのか。ところでコケモモは英語でbilberry(ビルベリー)と呼びます。なにか混同があるのかも知れません。国立健康・栄養研究所のサイトを見てもブルーベリーの人に対する有効性は認められていないようです。このサイトにもビルベリーとブルーベリーの違いがコメントされていました。興味深いですね。 |
| 出典は、West AL et al.: Evidence for the Use of Nutritional Supplements and Herbal Medicines in Common Eye Diseases. Am J Ophthalmol 141: 157-166, 2006 です。 |
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