加齢黄斑変性、新たな薬物治療

新たな新生血管阻止因子の有効性

  加齢黄斑変性に対する新たな治療法として、核酸を含んだ人工合成の新生血管阻止因子が注目されていることを前回レポートしました。硝子体内注入で投与するPegaptanibと、静注で投与するRanibizumabを紹介しましたが、別の点滴投与の合成新生血管阻止因子、Bevacizumabの治療成績が報告されています。
  対象は黄斑下新生血管を伴う加齢黄斑変性患者9名。対照なしですから、きわめて厳密な試験というわけではありません。投与方法は2週間おきに点滴を行い、2〜3回の投与で終了するのが基本のようです。
 結果は、スタート時の平均矯正視力が(0.25)だったのに対し、1回目投与の1週間後の平均矯正視力は(0.32)、3回投与終了時である6週間後は(0.4)、試験終了時である12週後も(0.4)となり、統計的に優位な視力改善が得られています。また網膜中心厚はスタート時、1週後、6週後、12週後がそれぞれ平均417μm、287μm、238μm、240μmと著明に浮腫が軽減しています。
 眼科的、および全身的副作用はほとんど認められず、軽度の血圧上昇のみでした。平均血圧はスタート時、6週後、12週後でそれぞれ129/75、141/76、135/77と収縮期血圧が軽度に上昇しています。
 Bevacizumab Avastinという商品名で転移性結腸直腸癌の治療薬としてFDAの認可を受けている人モノクロナル抗体です。作用機序は新生血管阻止にあり、この点から今回の試験に使用されたわけですが、症例数は少ないものの、有効性を示したわけです。
 光力学療法のように遮光が必要な治療や、不可逆的で侵襲の大きな手術療法と異なり、これらの新生血管阻止因子による治療は患者への負担が少なく、点滴による投与では副作用も極小です。問題はおそらく高価につくであろう点ですが、これは今後改善されるかもしれませんし、また、視力障害者を減らすことができれば、健保負担を大きくしても社会的支出としては安くつくかもしれません。
 ただし、Bevacizumabは上記の血圧上昇作用に加えて、癌に対して使用された場合に血栓による疾患の発症率が倍加するという報告もあるようです。第一選択としてよいかどうか、繰り返し行っても安全なのかどうか、もう少し様子を見る必要がありそうです。
  出典は、Michels S et al. Systemic Bevacizumab (Avastin) Therapy for Neovascular Age-Related Macular Degeneration. Twelve-Week Results of an Uncontrolled Open-Label Clinical Study. Ophthalmology 112: 1035-1047, 2005 です。

 

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