| LASIK術後には、角膜フラップ作成及びレーザー切削による角膜知覚神経の切断が生じ、知覚が低下することはよく知られています。また、これが術後のドライアイ発生、悪化の原因とも推定されています。ただ、術後時間経過に従って知覚低下は軽減することもまた知られています。では待っていれば術前のレベルにまで回復するのかどうか。これはLASIKによって生じたドライアイ悪化が永続的なものかどうかを推測する上でも重要なポイントです。 |
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今回紹介するのは、LASIK被術者を3年間追跡したプロスペクティブな調査結果です。対象は11例17眼。LASIKで削った厚さは18〜110μm(平均63±26μm)。術前および術後1,3,6,12,24,36ヶ月の時点で角膜の全厚をコンフォーカルマイクロスコープを用いて観察し、輝線として認められる三叉神経の神経束を立体的に撮影して、その数と走行長を割り出しています。実質は上皮下、フラップ部分、基部の3箇所に分類して術前術後の各時期における変化が解析されました。 |
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1枚のスキャンに写った神経束の数については、術前平均は上皮下4.0本、フラップ部0.6、基部0.25と、上皮下にもっとも知覚神経が多い観察結果となっています。しかし、術後の上皮下では3ヶ月後まで0になり、6ヶ月で0.6、1年で1.8と回復するものの、3年経過後も2.3と術前の60%弱に留まっています。フラップ部分も術後1ヶ月では0となり、3ヶ月後から3年後まで0.3〜0.5程度で推移しています。一方、基部の神経束数には変化は認められませんでした。 |
| 観察された神経束の長さを観察部分の体積で割った、神経束密度については、
術前平均は上皮下6188(μm/mm3)、フラップ部9731、基部950と、上皮下とフラップ部という実質表層で知覚神経が多い観察結果となっています。しかし、術後の上皮下では1ヶ月後で503、3ヶ月後で0になり、6ヶ月で1079、1年で2377と回復するものの、3年経過後も3169と術前の半分程度に留まっています。フラップ部分も術後1ヶ月では0となり、3ヶ月後から3年後まで30005程度で推移しています。一方、基部の神経束密度には変化は認められませんでした。 |
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データの推移を見る限り、回復は2年程度で頭打ちとなり、術前より低い状態に留まったままのようです。10年後にもそのままなのか、知覚神経の減少がドライアイのような臨床的な症状に本当に関係しているのか、など定かでない部分はありますが、LASIK後は長期間知覚低下が残ることは確かなようです。 |
| 出典は、Calvillo MP et al : Corneal Reinnervation after
LASIK: Prospective 3-Year Longitudinal Study. Invest Ophthalmol Vis Sci
45: 3991-3996, 2004 です。 |