色覚補正眼鏡、その後

「ダルトン眼鏡」について

  3年前のトピックスで、ダルトン眼鏡という、色覚補正眼鏡について、否定的な結果を得た論文を紹介しました。その後、これと反対の結果の報告があることがわかりましたので、紹介します。
  1996年11月の第32回日本眼光学学会の一般講演で、おなじ中国製の色覚補正眼鏡を使用し、パネルD-15テストの改善をみたものです。対象は124名で、使用前のテスト合格者が8名に対し、使用した状態では116名が正常に回答したと報告されています。
 ダルトン眼鏡は、感度の低下した波長に合わせて、他の波長をフィルターすることによって色感度特性を正常に近づけるものです。この報告は論文化されておらず、詳細が不明のため、前回紹介した報告とどちらが正しいのか、判断することは困難です。前回の報告は色覚異常者4名しか対象にしていない点で不利ですが、今回の報告も対象の選定基準やドロップアウト判定などが明らかでないため、完全に公正な結果かどうかが判断できないのです。
  幸い、まったく同じ手法による色覚異常眼鏡の厳密な臨床試験が行われているようです。その結果によって、このような通過光の波長特性変更による色覚補正眼鏡の有効性が明らかになるでしょう。それまでは結論を待つことになります。
 出典は、魚里博、野矢正: 色覚補正眼鏡用フィルターの検討」第32回日本眼光学学会 一般演題, 1996

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