白内障と着色眼鏡

どんな色のメガネが白内障には良いのか

  白内障は水晶体の一部が混濁するため、光線がまっすぐ網膜に届かず、散乱したり反射したりします。このため、白地に黒の視力表なら読めても、グレーの上の濃いグレーといった濃淡になるととたんにわかりにくくなります。また、逆光ではグレアを生じます。
 これを改善するために、眼鏡に着色する事はすでに行われてきました。また、射撃の成績などについてはある程度科学的な調査 結果もあり、霧が出ている状態では黄色の眼鏡が有効である事がわかっています。
 今回の報告は、コントラスト感度を視標とし、透光率50%の各色の眼鏡レンズを白内障患者に装用させて、どの色がもっとも見やすいかを調査したものです。対象は、平均年令73才の白内障患者25名。矯正視力は(0.2)から(0.5)の範囲です。
 コンピューターグラフィックによるサイン波コントラスト感度表を用いて、空間周波数0.4 cpd (cycles per degree)、1.0 cpd、4.0 cpdについて測定した結果は、白内障のない対照群に対し、白内障群ではすべての空間周波数でコントラスト感度が低下しており、特に高周波数ほど低下が顕著でした。また、グレアを加えるとさらにコントラスト感度は低下しました。
 透光率50%のグレー、茶、黄、緑、紫の眼鏡レンズを装用してグレア条件下で同じ検査を行ったところ、すべての例で コントラスト感度が低下しましたが、その程度は茶及び黄のレンズがもっとも少なく、透明レンズが最悪でした。また、グレア条件下での視力低下は、透明レンズより茶、紫、黄、緑のレンズの方が少なく、逆にグレーのレンズでは視力低下が増加しました。これらの結果は水晶体混濁の形には無関係でした。
  これまでも、経験的に茶系の着色が白内障 患者には有効とされてきましたが、今回の結果はそれを裏付けています。茶、紫、黄が有効という事になり、逆にグレーの着色はいい所なしのようです。グレアがない、あるいは少ない、室内で装用する眼鏡 、特に近用眼鏡では着色の必要性は異なるかも知れませんね。
 出典は、Naidu S et al.: The Effect of Variably Tinted Spectacle Lenses on Visual Performance in Cataract Subjects. Eye & Contact Lens 29: 17-20, 2003

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