眼内レンズのエッジ加工によるグレア低減

IOLエッジにパターン加工をすると光芒現象を低減できる

 眼内レンズ挿入後、レンズによる光のいたずらで光芒を感じる現象は珍しくありません。特に暗所で視野の隅の方にあった場合、頻繁に、強く感じるようです。暗い夜道で街灯の下を通るたびに星のような光が見える、といった訴えです。歩行中ならともかく、夜間運転中に起きれば事故にもつながりかねません。眼内レンズ径が散瞳時の瞳孔径よりも小さいために、レンズエッジで光が屈折することが原因と考えられますが、これまではしかたない現象と思っていました。
  今回紹介する論文は、眼内レンズエッジに加工を加えることによって、この光芒現象を改善できたという報告です。著者らが引用した過去の文献によると、上記のような現象の発生率は眼内レンズのデザインによって22%から45%と差があり、エッジ(レンズの赤道部分)が厚いと発生しやすいことがわかったそうです。
  著者らは、このレンズエッジ(赤道部分)に縮緬状のパターンを形成した眼内レンズを用い、従来型の眼内レンズと比較しています。対象は60才以上 の白内障患者60名、ランダムに30名ずつに分けて改良型と従来型の眼内レンズが挿入されました。術者は同一者、術式も同一の超音波吸引術でした。
 1ヶ月後、従来型レンズ群では67%の患者が光芒現象を自覚しましたが、改良型レンズ群では13%に過ぎませんでした(p<0.001)。現象の出やすい薄明時の条件下では、発生率は従来型で90%、改良型で37%に上昇しました。
  臨床ではけっこう気になる主訴なのですが、水晶体嚢眼内レンズエッジ部の癒着などによって、光芒現象は通常消失していきます。今回の報告でも、3ヶ月後にはどちらの眼内レンズを入れた群からも光芒現象の訴えは出なくなったとのことです。
 とはいえ、中にはそのために眼内レンズの摘出、再挿入が必要になる例もあるとのことですから、できれば改良型のレンズを使って欲しいものですね。もっとも日本では高い眼内レンズを使っても料金は同じですから、あまり価格に差があるようだと、病院としては使いたくない、ということになるのかも知れません。
 出典は、Meacock WR et al.: The Effect of Texturing the Intraocular Lens Edge on Postoperative Glare Symtoms.  - A Randomized, Prospective, Double-Masked Study.  Arch Ophthalmol 120: 1294-1298, 2002

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