高眼圧症の危険因子

緑内障に進行しやすい高眼圧症は?

 7月のニュースで紹介した「高眼圧症緑内障」に続くシリーズ論文です。観察対象となった高眼圧症1636例のうち、緑内障に発展したものは125例。これらについて危険因子を調べたものです。
 因子として、人種、年令、性別、家族歴、β遮断剤内服、カルシウム拮抗剤内服、偏頭痛の有無、糖尿病、高血圧、低血圧、心疾患、脳血管障害、-1.0D以上の近視、角膜厚、眼圧、C/D比、ハンフリー30-2視野などが調査されています。
 危険因子として単変数解析で統計的に有意だったのは、高年齢、アフリカ人種、男性、高眼圧、高C/D比(水平、垂直とも。垂直の方がやや相関強い)、心疾患、薄い角膜中心厚、視野感度のばらつき(高pattern SD)。多変量解析でも有意だったのは、高年齢、高眼圧、視野感度のばらつき、薄い角膜中心厚、垂直C/D比(水平については多変量解析せず)でした。
 逆に、糖尿病は緑内障になりにくい因子として有意でした。また、家族歴、高血圧、低血圧、偏頭痛、近視、脳血管障害、内服薬などは、緑内障のなりやすさと相関しませんでした。
 もっとも関係が強かったのは角膜中心厚で、薄い(555μm以下)、普通(555〜588)、厚い(588μm超)の三群に分けて検討したところ、厚い群に対して普通群は1.7倍、薄い群は3.4倍の危険率を示しました。階層分けを変えても薄い角膜中心厚ほど緑内障になりやすいという傾向は一定していました。
 次に眼圧を低い(23.75mmHg以下)、中程度(23.75〜25.75)、高い(25.75mmHg超)の三群に分けて角膜中心厚、緑内障発生との関連を見たところ、どの眼圧群でも同様に角膜中心厚と緑内障発生の相関が認められました。眼圧自身も緑内障と相関している結果、眼圧25.75mm超、角膜厚555μm以下の症例がもっとも緑内障に発展しやすい(36%が発症)ことになります。
 垂直C/D比も同様に小(0.3以下)、中(0.3〜0.5)、大(0.5超)に分けて角膜中心厚、緑内障発生との関連を見たところ、同様にC/D比が0.5超で角膜厚555μm以下の症例がもっとも緑内障に発展しやすい(22%が発症)という結果が得られました。
  角膜厚が薄ければ眼圧は低く測定されるはずなので、角膜厚が薄く、しかも眼圧が高い症例は本当はもっと眼内圧が高いと推測されること。乳頭陥凹が視野変化に先行し得ることを考えると、どちらも納得できる結果といえるでしょう。これらの因子が高眼圧症への予防治療適否の指針 になると思われます。
 出典は、Gordon MO et al.: The Ocular Hypertension Treatment Study. - Baseline Factors That Predict the Onset of Primary Open-Angle Glaucoma - Arch Ophthalmol 120: 714-720, 2002

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