加令黄斑変性と内服薬

薬は加令黄斑変性に効くのか?

 加令黄斑変性は、なかなか確実簡単な治療方法がないやっかいな病気です。喫煙が危険因子であることは1998-Augのトピックスで紹介しましたが、医療薬、市販薬は効果があるのでしょうか。
 今回紹介する論文は、Beaver Dam Eye Studyという有名な地域疫学調査シリーズの結果報告です。Beaver Dam地域の43才から86才の住人を対象に、一回目は1988年から1990年にかけて5924名の対象者中4926名の眼科的検査を行いました。二回目は一回目検査の5年後に、受診者の生存者4541名中3684名を眼科的に検査し、5年の間の初期加令黄斑変性の発症の有無と、内服中の医療薬、市販薬の内容を調査比較したものです。
 内服されていた薬剤は、降圧剤(カルシウム拮抗剤、βブロッカー、利尿剤、レセルピン等々)、抗不安薬、吐き気止め、抗うつ剤、睡眠薬、非ステロイド性抗炎症剤、アスピリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、痛風治療薬、などです。
 結果は、どの薬剤もドルーゼン、網膜色素上皮変化などの初期加令黄斑変性の出現率にはほとんど影響しない、というものでした。ただ、抗うつ剤使用者には加令黄斑変性の発症が統計的にやや少ない、という結果が得られました(p=0.04)。
 統計的には有意ではないものの、カルシウム拮抗剤使用者には逆にやや発症が多い(p=0.08)傾向が認められています。後者は循環改善による効果を期待して加令黄斑変性に使われることもある薬剤ですが、今回の結果を見る限り、慎重に考えた方が良いようです。
 出典は、
Klein R et al.: Medication Use and the 5-Year Incidence of Early Age-Related Maculopathy. - The Beaver Dam Eye Study - Arch Ophthalmol 119, 1354-1359, 2001

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