白内障とビタミン

ビタミン剤は白内障予防に効くのか?

 ビタミンが白内障に効くかどうかについては多くの調査がなされていますが、もうひとつはっきりした結果が見られません。今回も同じような時期に発表された二つの論文に目を通しましたが、やはり共通した答は得られていないようです。
 論文A(末尾参照)は、53才から73才の478人の女性を対象に、食事によるビタミン摂取量及びビタミン剤の摂取を13〜15年にわたって問診し、白内障の発生頻度との関連を調査したものです。結果は、ビタミンCをもっとも多く摂っていた群は、もっとも少なかった群に対して、優位に核白内障発生頻度が低かった(p<0.001)ということです。また、ビタミンC摂取期間が長いほど、白内障頻度が低い傾向があったとしています。
 論文B(末尾参照)は、定評ある疫学調査の一つであるブルーマウンテンスタディーの一環ですが、49才から97才の2873名を対象に、同じく食事、ビタミン剤摂取と白内障の関連を調査したものです。こちらの結果では、ビタミンCは白内障進行と関係がなく、逆に論文Aでは認められなかったビタミンB、およびAが核、皮質白内障の発生予防に有効という結果になっています。
 白内障は水晶体内の酸素ラディカルによって生じ、抗酸化作用を持つビタミンCやEが予防に役立つはずだ、という考え方は以前から存在します。また、調査によっては有効だったという結果も散見されます。しかし、論文BのビタミンB,Aの有効性同様、対象の取り方、白内障の定義、観察期間、白内障の進行を見るか発生を見るか、はたまた手術件数を見るかなどで、容易に変わる程度の影響しかないということだと思います。
 結局、患者さんに聞かれたときには「効くかも知れないし効かないかもしれない。効くとしても劇的に効くわけではない」程度の答にしかならないでしょう。
 出典は、
論文A : Jacques PF et al.: Long-term Nutrient Intake and Early Age-Related Nuclear Lens Opacities. Arch Ophthalmol 119, 1009-1019, 2001
論文B : Kuzniarz M et al: Use of Vitamin Supplements and Cataract: The Blue Mountains Eye Study. Am J Ophthalmol 132, 19-26, 2001

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