黒人と白人の眼圧の違い

黒人白人よりも角膜厚径が薄く、眼圧が低めに出る

 眼圧測定値には角膜厚径が影響を及ぼし、角膜が厚いほど測定値が高く、薄いほど低く出る傾向があることは既に多く報告されています。これが高眼圧症正常眼圧緑内障という現象の一端を担っているとも考えられますが、人種差による違いもあるという論文を紹介します。
 緑内障を疑われ、あるいは診断されている黒人(African American) 56名と白人(Caucasian)32名の角膜中心厚径を測定し、緑内障高眼圧のない黒人26名、白人51名と比較しています。
 全黒人の平均角膜厚径は約0.530mm、白人は約0.558mmと5%の厚さの違いがあり、これは統計的にも有意でした(P<0.001)。また、緑内障群、正常群に分けた比較でも、やはり黒人の方が有意に薄い(ともにP<0.01)という結果が出ました。
 角膜厚径眼圧測定値に影響を及ぼす可能性がありますから、この結果として黒人は低めに眼圧が測られ、緑内障を見落とされやすい、と著者らはコメントしています。日本人の場合どうなのか、白人黒人の中間になるのかも面白い課題だと思います。
 最近は眼圧だけで緑内障を云々する事は少なくなってきましたし、日本では黄色人種以外の緑内障患者を管理することもまれでしょうが、人種が違えば眼圧の正常値も違う可能性がある、ということは念頭に置いておくべきでしょう。
 出典は、La Rosa FA et al.: Central Corneal Thickness of Caucasians and African Americans in Glaucomatous and Nonglaucomatous Populations. Arch Ophthalmol. 119: 23-27, 2001

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