| 網膜色素変性症に対する治療としては、網膜色素上皮の移植などが動物実験、人間のボランティアによる実験として報告されています。ただし、どちらもまだ移植可能性を探る段階で、治療効果があるかどうかは不明です。 |
| 今回紹介する論文は、これらとは異なる遺伝子治療的アプローチを試みたものです。これもまだ基礎段階であり、遺伝子導入が可能かどうか、どのような遺伝子を導入するのが効果的かを探る段階です。また、対象となったのも「ロドプシン- および ペリフェリン-linked Retinitis Pigmentosa」という、常染色体性優性の遺伝形式を持つ一部の網膜色素変性症に過ぎません。 |
| ロドプシン、ペリフェリン作成に関与する遺伝子には多くの変異が存在し、従って遺伝子治療はこれらの変異と関係なく働くものでなければなりません。実験はロドプシン、ペリフェリンのメッセンジャーRNAに作用するよう設計された数種類のライボザイムを使って行われ、どの酵素が最も有効であるかがin vitroで評価されました。 |
| この治療は、問題になる遺伝子にアクセスする酵素を評価する段階であり、そこに正しい遺伝子を導入するには至っていませんし、臨床治療からはまだほど遠い段階です。しかし、このようなアプローチが今後、他の網膜色素変性症の治療にも、いずれ応用されていくのかも知れません。 |
| 網膜色素変性症には現在のところ有効な治療方法はありませんが、このような展望を示すことによって、少しでも患者さんの心の持ち方が改善されればと思います。長い時間をかけて進む病気だけに、現在は無理でも、間に合ううちに治療法が実用化される可能性もあるというものです。 |
| 出典は、 O'Neill B. et al : Ribozyme-Based Therapeutic Approaches for Autosomal Dominant Retinitis Pigmentosa. Invest Ophthalmol Vis Sci. 41:2863-2869,2000 |
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