| 近視や遠視などの屈折異常の成因には諸説がありますが、眼軸長の変化が主な原因であると考えられます。ヒヨコに屈折異常を負荷すると、数時間のうちに脈絡膜厚さがそれを補正するよう変化することが知られており、これが眼軸長の恒久的変化につながり得ると推測されています。
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| しかし、鳥類と人類では事情が異なる可能性もあります。今回の論文はアカゲザルを用いて、霊長類でも同じ変化が起きることを観察したものです。
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| まず10頭のアカゲザルについて、成長に伴う脈絡膜厚さの正常な変化を観察。ついで生後約3ヶ月のサル26頭に片眼、両眼の屈折異常を平均120日間負荷し、屈折、眼軸長、脈絡膜厚さ等の変化を測定しています。
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| 屈折異常は−6Dから+12Dの球面レンズを軽量ヘルメットに取り付けたものを12〜23週間、着用させて負荷しています。終了時に超音波測定を行うと、遠視にした目では脈絡膜厚さは薄く、近視にした目では厚くなっていました。これは屈折異常を補正する方向への変化です。ただし、変化する度数は0.5D程度で、ヒヨコの場合の10.0Dと比較して少ない量です。これは眼球サイズと種差によるものと著者らは考察しています。
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| また、片眼に霧視レンズを装用させた場合、近視化すると共に近視眼の脈絡膜厚さの減少と眼軸長の増加が認められ、両眼開放にすると脈絡膜厚さは逆に近視眼側で増加しました。これは最初は調節努力で近視化し、開放後は眼軸長の増加による近視を脈絡膜が補正しようとしたとも考えられます。 |
| 近視の成因を明らかにするためには、脈絡膜厚さだけではなく、眼軸長の不可逆な変化との関係を、今後追求する必要があるでしょう。ただ、目というものは最初から運命の決まったカメラのような部品ではなく、調節を介して適応しつつ自分を作り上げていくものだというのは確かなようです。 |
| 出典は、Hung LF, Wallmann J, Smith III EL: Vision-Dependent Changes in the Choroidal Thickness of Macaque Monkeys. Invest Ophthalmol Vis Sci. 41: 1259-1269, 2000 |
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