色盲メガネは有効か?

ダルトン眼鏡の有効性検証

この記事は、その後知り得た資料に基づいて2003年12月に結論を訂正しました。

 色盲メガネと称する商品が流通しています。中国から輸入されたダルトン眼鏡というものがそれです。このメガネによって本当に色覚が改善されるのかを検証した論文を紹介します。
 対象は第一色盲、第二色盲、第一色弱、第二色弱、色覚正常者、各1名ずつ。裸眼と二種類のダルトン眼鏡(GlassA8,B8)の装用下で、石原式色盲表、標準色覚検査表(SPP1,2)、パネルD-15、ランタンテスト、100-Hue Test、アノマロスコープを検査しています。
 結果は、改善したのは石原式色盲表と標準色覚検査表のSPP1のみ。標準色覚表のSPP2は悪化、パネルD-15はfailのまま、あるいはやや悪化、100-Hue、ランタンテストは悪化、アノマロは視標が見えなかったり結果がばらついて、ほとんど検査不能という有様でした。また、色覚正常者は、石原以外では結果は悪化しました。
  基本的にダルトン眼鏡は色フィルターですが、単色ではなく、波長分布特性を変えるように働くフィルターです。実生活では多様な色の組み合わせが存在しますから、単純な色フィルターで は色覚異常をカバーできるものではありません。波長分布を補正すれば色がわかりやすくなるはずですが、実際には上記の結果のように、むしろ悪化する事の方が多 かったようです。
 これがダルトン眼鏡の限界なのか、今回の調査に使用された眼鏡が患者の色感度特性に合わせて処方されていなかったからなのかは不明です。「色盲が治る」メガネと誤解せず、実際に試して有効なのであれば、価値はあるのでしょう。個人の色感度特性に合わせて調整できるようですから、 適切に合わせれば役に立つのかも知れません。
 出典は、奥野 知里 et al.: ダルトン眼鏡は有効か. 新しい眼科 16: 1749-1753, 2000

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