| いわゆる視力回復訓練では、まず近視は治りません。ただ、視力が良くなることはあるかもしれません。この一見矛盾した表現は「視力」を「矯正視力」と「裸眼視力」に分けて考えれば理解できます。 |
| 矯正視力は、矯正眼鏡を使用して、1.0の視力表をちゃんと見るために、どれだけの度数が必要かを測ります。これが近視の程度を正確に表わす数値です。仮性近視(正確には調節けいれん)の場合には矯正視力が良くなることがありますが、実際には調節けいれんは、特に学童年令では稀です。 |
| 調節けいれんの有無は、眼科で点眼薬を用いた試験を行うと簡単に、確実に知ることができます。調節けいれんでない近視の場合、治療器や訓練などで近視が減り、矯正視力が改善することはありません。 |
| ところで、裸眼視力はぼんやり見える状態でどこまで視力表を「当てる」ことができるか、という視力です。したがって、目を細めるか大きく開けるか、はっきりわかったものだけ答えるか勘で答えて良いか、答えるまでの制限時間の取り方などによって、大きく変動します。また、慣れてくれば視力表の視標のぼやけ方で、どちら向きかを当てることができるようにもなります。 |
| したがって、くり返し視力表を当てる訓練をする事で「裸眼視力」は良くなります。これは決して訓練方法や治療器が近視に有効であることを示すわけではありません。また、裸眼視力が改善しても、目を細め、時間をかけて、ぼやけた視標で判断した視力ですから、本人の見にくさが減ったわけでもありません。 |
みんなが1分で読める黒板の文章を、「訓練で良くなった」視力で3分も5分もかけて読ませるのはかわいそうではありませんか? |